ミクシィグループ公式ブログ

ミクシィグループ公式ブログは、オウンドメディア『ミクシル』に移行いたしました。

【キャラクターデザイナー志望学生向けイベント】モンストのキャラクター制作の裏側!

ミクシィグループとしては初主催となる、学生向けイベント「夏だ!アートだ!モンストキャラデザ道場」を開催しました。

f:id:mixi_PR:20160916123530j:plain

今回のイベントは、XFLAG スタジオのアートディレクター兼イラストレーターの2人が"師範"となり、参加学生のみなさんを"門下生"として迎える道場スタイルで、講義とワークショップを実施。
今回はイベントの内容をお伝えします。

============================================================

 はじめに、『モンスターストライク』のキャラクター制作手法からお話しさせていただきました。

f:id:mixi_PR:20160916124517p:plain

モンストでは、図の様な行程を経てイラストを制作しています。

まずはじめに、テーマ・モチーフ決めにてそのイベントのキャラクターのラインナップやキャラクターの概要を決めます

つぎに、キャラクター概要から詳細な設定を練っていき、チームでの確認を通してキャラクター設定書をブラッシュアップしていきます。

そうして完成した設定書をもとに、作家さんや内製イラストレーターなどの割り振りを決定し、作画行程を経て完成!という流れになります。

 

f:id:mixi_PR:20160916125206p:plain

作成した設定書をもとに、各制作担当者がラフ・線画・彩色・仕上げを行っていきますモンストではチーム内にて制作を行う場合と外部制作パートナーさんに依頼する場合の2パターンがあります。
外部制作パートナーさんとは、イラスト制作会社さん、フリーランスのイラストレーターさんの事です。
外部制作パートナーさんに依頼する場合は担当アートディレクターと協力して制作を行います。アートディレクターは、主に外部制作パートナーさんが制作してくれたラフや線画、彩色のデータを確認しています。キャラクターをより一層魅力的に見せるにはどうするか?などを入念にチェックし、イラストの方向性やより良い表現方法などを提案していくお仕事をしています。

 

f:id:mixi_PR:20160916125258p:plain

いよいよ設定書をもとにキャラクターの作画開始。
モンストでは図のように、ラフ制作 > 線画制作 > 彩色 > 仕上げ と言う作業行程があります。
作画行程では毎日「クリエイティブチェック」があり、そこで制作の進み具合、クオリティや全体のバランスを確認しています。

 

ここでは、6月前半にリリースされた「リコルの大冒険」シリーズに登場するヴェローナを例に、キャラクター完成までの工程を詳しく説明していきます!

 

f:id:mixi_PR:20160916125346p:plain

6月前半イベント「リコルの大冒険」では、まずテーマとして「RPG風ファンタジー」を扱う事が決まり、それに加えキャラクター性を掘り下げるひとつの要素として「タロットカード」をモチーフにする事を決めました

 

f:id:mixi_PR:20160916125419p:plain

ヴェローナは、「RPG風ファンタジー」という世界観の中での、主人公達に敵対する存在として「女魔王」を作ろうと言うところからはじまりました。
 タロットカードには「正位置」と「逆位置」があり、それぞれで全く逆の意味になります。
ヴェローナは「逆位置の意味」をコンセプトとしつつも、神化で逆転するという方向で、コンセプトやストーリーを練って行きました
今回のストーリーにおいては、「女魔王」に「ホイールオブフォーチュン」というタロットカードをモチーフにしました。

 

f:id:mixi_PR:20160916125535p:plain

プラスのスパイスとしてモンストらしいことができないか、ということで、以前行ったRPGをテーマにしたシリーズの「ロイゼの大冒険」と繋がった世界観にしてみてはどうか?という案が出て、さらに肉付けしていきました。ビジュアル的な意味でのクオリティはもちろんですが、こういった遊び心をもちながらも、総合的に見て楽しめるデザインに仕上げることで、「モンストらしい世界観」を築いています

 

f:id:mixi_PR:20160916125618p:plain

そして、キャラクターに進化前、進化、神化、それぞれにストーリーを持たせていきます。
ヴェローナは、本来、勇者として魔王を倒したのですが、「魔王を倒したものが次の魔王になってしまう」という呪いがあったために、知らずのうちに、ヴェローナが魔王になってしまった、という一連のストーリー性を持たせています。
進化前・進化後では、魔王になってしまい暴走してしまうヴェローナのストーリーを表現し、神化では、勇者であるリコルに倒され、本来の姿に戻り、今度は次の魔王になってしまった妹のリコルを助けにいく…そんなストーリーを絵で表現しています。


これまで決定した「RPG風ファンタジー」という世界観、「タロットカードモチーフ」、過去
キャラとのつながり…などから絵に落とし込む上で大事な要素をまとめあげていきます。

 

f:id:mixi_PR:20160916125721p:plain

合わせて、モンスターストライクでは、進化前、進化、神化、獣神化というバリエーションがあり、プレイ画面上で表示されるキャラクターをデフォルメした「ボール絵」と言うものが存在します。
そのため、1キャラクターに付き4〜6枚のイラストが必要です。キャラクター制作では、キャラクターイラストとボール絵を平行して進めていきます


では、
進化後の制作過程を細かく見ていきましょう。

 

f:id:mixi_PR:20160916142527p:plain

設定書をもとに作画を開始します。

ヴェローナは外部制作パートナーさんと共に制作を行っていますが、今回はラフの初稿が2パターン届きました。左のイラストは魔方陣のような輪っかの入り方のバランスが良いと感じ、右のイラストは構図がやや俯瞰になっており迫力が感じられます。両方とも大変魅力的なので、この2つの長所を取り入れる事はできないかと思い指示を行うことにしました。

 

f:id:mixi_PR:20160916142609p:plain

これらの、具体的な要望などを図や文章で示して指示するチェックバック(略してCB)を行います。

 

f:id:mixi_PR:20160916142633p:plain

お伝えしたCBをもとに第2稿として制作されたものがこちらです。
とても良く仕上がっていて、イメージに近づいてきました。
より魅力的に見せるため更にCBを繰り返します。

 

f:id:mixi_PR:20160916142737p:plain

f:id:mixi_PR:20160916142753p:plain

ラフが完成! 次はこちらのデータをもとに、線画を起こします。

 

f:id:mixi_PR:20160916143005p:plain

作画については線画の太さのルールを決めているので、それに基づき制作を行います。

 ・ラフのイメージを損なっていないか
 ・ラフの状態から正しい線を起こせているか
などをチェックし、CBではキャラのシルエットが見えづらいので、少し太くする調整をお願いしています。

 

f:id:mixi_PR:20160916143019p:plain

線画の完成です!そしていよいよ線画に彩色する行程に入ります。

 

f:id:mixi_PR:20160916143041p:plain

初稿の段階で、塗り込みが丁寧に行われており良い出来でした。キャラクタ-シルエットが周りの要素に埋もれて見え辛くなっている部分(特に腕など)があるので、見えやすくするための調整や、全体の色味をやや明るくしていただくように調整をお願いすることにしました。

 

f:id:mixi_PR:20160916143254p:plain

第1稿のCBを踏まえて調整して頂いた第2稿です。こちらの意図を汲み取っていただけており、納品です。ここから更に最終的なブラッシュアップである、レタッチと呼ばれている仕上げ作業を行います。

 

f:id:mixi_PR:20160916143324p:plain

今回のレタッチ作業の要点は以下の3点です。
 ・要素がきちんと見やすくまとまっているか
 ・空間が表現できているか
 ・より効果的なライティングの演出
実際のプレイ画面で見た時の見栄えを考慮しつつ色を調整します。

羽の調整の一例を挙げると、青味が強い部分をおさえて、それぞれのパーツの金属の色の差を出す調整を行っています。これらをもってキャラ絵は完成!
次はボール絵の作業です!

 

f:id:mixi_PR:20160916143348p:plain

ボール絵では、しっかりとしたデフォルメを加えつつもキャラ絵との「印象」はしっかりと合わせていく作業を行います

 

f:id:mixi_PR:20160916143402p:plain

ボール絵というのは、小さくデフォルメされたキャラクターイラストなので、「キャラクターの個性として重要なもののみ、ボール絵に取り入れる」ということが基本です。
その中でも重要なのが、顔・武器・特徴的なパーツ(翼など)です。

これが、実際のプレイ画面上ではっきりと認識できるようにそれぞれの要素のサイズ、色、線の太さに気をつけながらデフォルメしていきます。逆に細かい装飾やエフェクトといった部分を省略することで、必要な要素がしっかり見えるように調整していきます。

 また、ボール絵でもう一つ重要なことは…キャラクターイラスト同様、シルエットです。プレイ画面上で動き回って、敵にぶつかって縦横無尽に画面を駆け回るので、四角いシルエットになってしまうと、不自然に見えてしまいます。より自然に「もうひとつのキャラクターイラスト」として見えるように、できるだけ丸みのあるシルエットを意識しています。

f:id:mixi_PR:20160916143417p:plain

これをもってキャラクター制作が完了します。

 

f:id:mixi_PR:20160916143432p:plain

ラフとの比較すると、こちらが意図するラスボスらしい迫力あるイラストに仕上がりました!

 

イベント後半では、モンストではお馴染みの、亀のキャラクターケンチーを使って、「オリジナルご当地ケンチー」をデザインしてもらいました。

f:id:mixi_PR:20160916143450p:plain

f:id:mixi_PR:20160916143500p:plain

20分間のワークショップの中で、皆さんそれぞれが思うご当地ケンチーをデザインしていただいたくことに。個性豊かな様々なケンチー達に、「ここまで書いてくれるとは思わなかった!」と師範達も圧倒されてしまいました。

 

f:id:mixi_PR:20160916143523j:plain

f:id:mixi_PR:20160916143535j:plain

完成した作品を一斉に張り出し、師範の2人が気になった作品に触れ、作成者にデザインの経緯やこだわった点などを質問させていただきました。その際にはみなさんが集まって耳を傾ける場面も。

講義でお話させていただいた「モンストらしい世界観」を自分なりに解釈し、早速デザインに落とし込んでくださっている方もいて、とても面白いワークショップとなりました。

f:id:mixi_PR:20160916143549j:plain

f:id:mixi_PR:20160916143559j:plain

最後に、XFLAG スタジオの妥協しないモノ作りについてお話させていただきました。

 

f:id:mixi_PR:20160916143630p:plain

師範2人をはじめとするデザイナー達は、今手がけているキャラクターのクオリティでユーザーの皆さんに喜んでもらえるのか、本当に価値のあるものになっているのかを考えながらギリギリまで突き詰めてキャラクターたちを創りだしていきます
それはオリジナルのキャラクターイラストだけではなく、コラボのキャラクターに対してももちろん同じ姿勢で挑みます。

・既存のモンストユーザーが楽しんでもらえるものになっているか
・コラボの作品のファンにも楽しんでもらえるものなのか

モンストの世界観を出しつつも相互のファンに楽しんでもらえるためにはどうすれば良いかを強く意識して、制作を行っています。

 

なぜなら、未だかつて無い新しい価値の創出、皆さんに楽しんでもらう事を前提としたもの作り、そこへ向かって情熱を傾ける事で”アドレナリン全開”のバトルエンターテインメントを提供できると信じているからです。

その情熱はユーザーの皆さんに必ず届きます。
そして、それはファンのみなさんの熱となって、自分の心に還ってきます。
それが、また素晴らしいものを作ろうという次への意欲に繋がっていくのです。そういった大きなやりがいが、XFLAG スタジオにはあります

 

XFLAG スタジオでは「ケタハズレな冒険を。」というスローガンを掲げ、デザイナーのみならず、スタジオ一丸となって日々挑戦し続けている、というメッセージでイベントを〆させていただきました。

 

f:id:mixi_PR:20160916143644p:plain

参加いただいた方からは、「キャラクター誕生までの細かいプロセスを知れて勉強になった」「直接現場で活躍しているデザイナーの話が聞けるイベントは中々ないから刺激的だった」といった嬉しい感想をいただきました。
今回のイベントが、キャラクターデザイナーを目指す学生のみなさんの
キャリア形成に少しでもお役立てれば、嬉しいかぎりです。



今後も学生のみなさんに、ミクシィグループのことをよく知ってもらえて、かつ参加して楽しかった!色々と吸収することができた!と思ってもらえるようなイベントを実施してまいります。

mixi.co.jp